「棒、あるかい?」

 ある日の朝のこと。

 朝は、掃除機と床のぞうきん拭きをいつもしています。いつものように、スタッフがぞうきんがけをしていると、

「棒、まだあるかい?」とSさん。

 朝食後はいつものソファでうたた寝をしているSさんです。「棒?」…はて、なんの棒のことか…始めはわかりませんでした。

 その日は、「棒」= 掃除のモップの棒。もう1本あれば…俺も手伝ってやるよ、と言うことでした。スタッフのこと、見ていてくれたんですねぇ。ありがとうございます。すぐにもう1本の棒を用意し、お願いすると、丁寧に床を拭いてくれました。

 

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 できることを補い合いながら、自分の居場所はここにあるんだ、と感じていける関係・環境を作っていけたらいいなと感じています。

 外はようやく暖かくなって、何となくそわそわする春。農家の血が騒ぐのでしょうか。暖かくなる季節に向かって、少しずつ、体を動かして、心も体も元気に過ごしていけるように。私たちも今日も丁寧に、向き合って、関わっていきたいです。

                   (ひなた所長 石崎 真美)

ミールラウンド

新年度の新たな取り組みとしてミールラウンドを始めました。

 

以前よりYOUすまいる歯科より歯科往診をしてもらっており、今回先生の協力のもとミールラウンドを定期的に実施することになりました。

 

※ミールラウンドとは?

食事を摂取する際の口腔機能や姿勢等の観察評価、摂食機能評価を行います。多職種(歯科医師・看護師・栄養士・介護職員・生活相談員など)が協働して評価を行い、カンファレンスを行います。

 

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利用者様の食事の際に、多職種で食事場面を観察することで、咀嚼能力等の口腔機能や嚥下機能、食事環境、食事姿勢等を適切に評価することができます。さらには、多職種間で意見交換を通じて、必要な視点を包括的に検討することができます。

 

これにより、口から食べる為の日々の適切な支援の充実に繋がり、必要な栄養の摂取、体重の増加、誤嚥性肺炎の予防等が期待できます。

 

ミールラウンドでは以下の点に着目していきます。

 

多職種ミールラウンド、食事観察

● 食事の環境(机やいすの高さ等)

● 食べる姿勢、ペース、一口量

● 食物の認知機能

● 自助具の種類、使い方、介助方法

● 食事摂取の状況

● 食の嗜好

 

口腔機能評価

●  咀嚼機能

●  歯や義歯の状況

● 食塊形成、移送機能

● 唾液分泌機能

● 呼吸音

● 嚥下機能

 

観察・評価の後は多職種にてカンファレンスを実施し、今後のケア方針等を決定します。

以上のような流れでミールラウンドを行っていきます。開催頻度は月1回の為、一度にたくさんの検討を行うことは出来ませんが、一人ずつコツコツと取り組みを進めていきたいと思います。

(美瑛慈光園 西長)

Yさんとラーメンづくり~ふみちゃん食堂復活!~

平成30年4月18~19日にかけて、虹でワクワクするプロジェクトが行われました。

プロジェクト名は「Yさんとラーメンづくり~ふみちゃん食堂復活!(一日限定)

Yさんは昨年の12月から越冬で小規模多機能虹の泊まりサービスを長期で利用しています。春になり、そろそろ自宅に戻ることを意識しているのですが、やはり自宅を長く離れていると、自信をなくし不安になるようで、眠れない夜は「早くお迎えに来てほしい、どうしてこんなに辛いのでしょうか」と、気持ちが下がっていました。

そんなYさんを見ていたスタッフは「Yさんは昔、町内でふみちゃん食堂をやっていて、ラーメンも仕込みから手間を掛けて作っており、店主として自信を持って営業していた。春に自宅へ戻るために、Yさんがラーメンを作ることで、自信を取り戻してほしい!」との提案がありました。そして、ようやくプロジェクトが実現されました。

ここで、こだわりたいことは、

監修はYさん、職員は従業員。

すべての細かい作業ひとつひとつを行うにあたり、必ずYさんにやり方を確認する。

基本的にはYさんにやってもらう。

 

4月18日、まずは食材調達から始まります。

Yさんから事前に「花輪さんですべてそろう」とお話を聞いていたので、花輪さんに行き、色々と相談に乗ってもらいながら、食材を購入しました。花輪さんからも細かく丁寧な説明や対応をしていただき、とても助かりました。

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昔からのお付き合いのようですね~

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仕込みの食材がそろい、まずはチャーシューづくりです。

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次に、スープの出汁になる野菜や煮干し、昆布の準備です。

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ガーゼで巾着を作り、出汁のもとになる食材を入れるようです。そうしないと、食材が溶けてしまい、スープが綺麗に作れないとのことです。

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しかし、プロが作るラーメンスープって、かなり多くの食材からできているんですね~

 

チャーシューができました。明日の為に切っています(4/18 夕食後の作業)

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4月19日(プロジェクト2日目)~開店の日~

花輪さんから食材を購入。

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トッピングのネギを切っています。

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他利用者もお店の演出の為に協力してくれています。

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開店1時間前、スープは長い時間火にかけようやく完成。

どんぶりに醤油ダレとラードを入れています。ちなみに醤油ダレは、チャーシューを漬け込んでいたタレが醤油ダレとなっています。(おおっ!かなり本格的!)

着々と開店に向けて進んでいます。

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そして、15:00に待望の「ふみちゃん食堂開店!」感動の瞬間ですね~v(ToT) 

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従業員は麺の茹で方の指示を受けています。(ほぐす、一度に入れる分量、浮いてきてから上げるタイミングまで細かい指示でした)

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店主(Yさん)自らお手本を見せる

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そして…

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完成~!!! (更に感動の瞬間 ToT)

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麺は花輪食品おススメの「須藤製麺」

スープは、魚介系と動物系のWスープ

醤油ダレは、ふみちゃん食堂特製

ラードも花輪食品おススメのもの(ラードは輝いていました)

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お客様の反応は・・・

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「美味しい~」「私ラーメン大好き~!」

「こんな美味しいラーメンが食べられて、ホント嬉しいわ~」

 

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店主のオーラが出ています。

Yさん「しょっぱくないだろうか・・・一人1玉分でないから、麺とスープとのバランスが難しくてね・・・」 さすがプロですね

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食堂は大盛況!

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スープから攻めるKさん、通ですね

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ふみちゃん食堂、感動の復活。Yさん、ありがとうございます!!!

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「Yさんと従業員とお客様代表」

プロジェクト立案者~竹浪(介護職員) 野村(看護職員)

 

作業が進むにつれ、どんどん雰囲気が変わっていくYさん、職員は1日目の仕込みからすでに従業員となり、Yさんの指示に従い作業を進める。もはや店主にしか見えなかったですね。声にも張りがあり、生き生きとしていた2日間でした。

「得意なことをやる」「主体となる」「みんなでやる」「他者を喜ばせる」

これが最上級のリハビリですね!これが私たち介護従事者の役割だと再認識できました。

結局Yさんの為のプロジェクトが、むしろ我々職員の為になっているような…

 

第2弾、第3弾とチャンスがあれば取り組んでいきたいです。

(多機能型グループホーム虹 山前)←完全にお客さんでした(2日共居たのに  ^_^;)

 

 

おまけ

今回のブログ投稿者である、私、山前はかなりのラーメン好きです。(最近体の為に自粛していますが・・・)

私なりの食レポをさせてください

 

くどくなく、あっさり系で様々な食材の旨味を感じられる、誰もが安心して美味しく食べられる昔風ラーメンでした。チャーシューも前に出過ぎることがなく、スープと合う食感でラーメン全体を引き立たせていました。スープはもちろん、醤油ダレが最後にすべてをまとめたように感じました。ちなみに今回はあまりの美味さに完つゆしています。花輪さんおススメの麺も加水率低めでスープが良く絡み、かなり好みの麺でした。週に何度も食べたくなる味ですね~(山前)

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地域との繋がり

最近入所したばかりのS様

昨年末までは自宅で一人暮らしをしており、ご家族様だけでなく、地域の方の支えもあり在宅生活を続けてこれました。

 

そんな中、自宅での生活も難しくなり、慈光園に入所することになりました。

 

昨日、地域の方からお電話があり「今日、家でお昼を一緒に食べたいから連れてきてもらえないだろうか?」とご相談をいただきました。

 

さっそく担当職員と一緒に伺うことにしました。

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在宅で生活していた頃から、日帰り温泉などよく一緒にいっていたご友人たちと。

 

久しぶりの訪問にS様の表情もとても嬉しそう。

 

おでんに漬物、味噌汁とS様の為に昼食を用意してくれていました。ご飯を食べながら、施設内の生活ではなかなか聞くことが出来ない話も色々と聞くことが出来ました。

 

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とてもオシャレなS様。両サイドからマニキュアを塗ってもらいました。

 

私も送迎の手伝いだけでなく、ちゃっかりお昼をごちそうになってきました。久しぶりにこういった場面に立ち会わせてもらいましたが、やっぱり良いですね。職員にとっても息抜きになります!

 

 

施設に入所しても、障害が重くなって車椅子生活になっても...

買い物に出かけたり、自宅に帰ったり、友達の家に遊びにいったり、地域との繋がりを感じてもらいながら生き生きと生活していただきたいです。

 

(美瑛慈光園 西長)

春よ来い!早く来い!!

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新年度が始まりました。サポートセンター燈の花壇でも福寿草やクロッカスが可愛い花を咲かせてくれています。春めいて温かくなり利用者、入居者も「外に行きたーい」ともう少し温かくなる日を待ち望んでいる毎日です。

 

久しぶりのブログの更新で申し訳ございません。今回は6年前からサポートセンター燈でお手伝いさせて頂いている、NPO法人くらしの助け合いさんのサロン時の送迎の様子を紹介させて頂きます。

 

まず、NPO法人くらしの助け合いさんを紹介させて頂きます。

 活動の目的として、高齢者介護福祉や障がい者福祉の隙間を埋めて、共に過ごし、不便や困りごとを解決する為の仕組みを共に創ることを目的に活動されております。

とりわけ、ほぼ週に1度定期的に「ひなたぼっこの家」に集まり、地域に住む高齢者や障がい者の閉じこもりの解消、生きがい(仲間)づくり、支援の必要な児童生徒とその保護者が安心できる居場所づくりを目的に交流サロン活動を行なっています。

現在までの主な活動といたしましては

1、交流サロン活動「ひなたぼっこの家」

2、在宅高齢者及び障がい者の訪問によるくらしの支援活動

3、子育て中のママ応援活動(育児の悩み相談受付など)

4、美瑛町内の役場、病院、公共施設、道路等を対象に、当事者によるユーザビリティー(使いやすさ)調査活動。

ざっくりした紹介で申し訳ございませんが、その中での毎週水曜日に行なっているサロンの際の送迎をお手伝いさせて頂いています。

 f:id:biei-jikoukai:20180419155638j:plain朝9:30暮らしの助け合いさんの活動の拠点「ひなたぼっこの家」から暮らしの助け合いさんのスタッフともに燈のハイエースで各利用者さん宅へお迎えに上がります。

 

 

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 小規模多機能燈の利用者さんの中にも毎週利用されている方もいらっしゃり、皆さん楽しまれて帰られますいつも「いや~笑った!笑った!」と帰宅の際は満足されて帰られます。

 

 

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 送りはPM14:30朝と同じように、ひなたぼっこ家からくらしの助け合いさんのスタッフと各自宅の玄関先まで送らせて頂いています。皆さん本当に楽しそうで「また来週が楽しみだわ!!!」と帰って行かれ私達も「また来週来ますね~」お一人お一人送らせて頂いております。

 

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 サロンに来られている方の中には、当然様々な原因で支援が必要になられる方もいらっしゃりました。小規模の登録となったり、サテライト特養に入居されている方もいらっしゃいます。元気な頃から送迎という形で関わらせて頂き、サポートセンター燈で引き続き関らせて頂く事が出来ること、環境がとてもありがたいなぁと思います。

 

 

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 奥に見えるオレンジ色の建物がサポートセンター燈です。

 

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NPO暮らしの助け合いさんには、燈に毎月ボランティアに来て頂き、利用者のお話し相手や一緒に作業して頂いたり、田中先生には燈で歌会を行なって頂いたりなどしています。また昨年については燈、七彩の開設10周年のお祭りの際も皆さんにお手伝いいただきました。

 

 代表理事井内昭子さんは、燈の運営推進委員もお願いしており、これからもお互いに協力させて頂きながら助け合っていければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

サポートセンター燈  石崎

 

 

◆中年新人ウエイター現る

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慈光園では月に2回、ボランティアさんが喫茶店を開いてくれます。

 
美味しいコーヒーと、ケーキなどが格安で楽しめるということで、入居者さんだけではなく、職員も楽しみにしています。
 
その喫茶店にピンチが訪れました。これまでウエイターのボランティアをしてくれていた男性のボランティア組織が解散されることになったのです。
 
主にコーヒーを落としてくれたり、ケーキなどを取り分けていただいている女性のボランティアさんがたも、ウエイターまでは手が回らないとの事。
 
そこで、普段入居者さんとの係わりがすっかり少なくなり、新しく入居された方の顔と名前が一致しない問題中年である私こと、施設長の安藤がウエイターとしてお手伝いさせていただくことにしました。中年男性一人ではお客さんの対応に課題がありそうなので、事務所からも1名応援に来てもらいました。
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たまには座ってゆっくりお年寄りとお話を・・・なんて思っていたところ、ボランティアさんから「ウエイターなんだから座ってないで働いて!」とはっぱをかけられ注文取り。
 
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ご家族もおみえになり、開始直後は大忙し。
 
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ケーキはあっという間に売切れてしまいました。
 
忙しい中でも、ひさしぶりにのんびりと入居者さんとお話をさせていただくことができました。
お客さんがいない間は、ボランティアさんがたと料理や畑についてのお話。
 
入居者の皆さんにとって、「楽しかった」と感じてもらえたかどうかは分かりませんが、これからも月2回の喫茶に参加できるようスケジュールを調整しています。
 
次回はかわいいエプロンを用意して、もっと楽しんでもらおうと思います。
 
 
特別養護老人ホーム美瑛慈光園 施設長 安藤挙利
 

なぜ、リハビリで外出をするの?

こんにちは!

段々と春になって、暖かい日も多くなりましたね☆

 

暖かくなると、外に出たくなるのが人情というもの。

しかし、施設入所では怪我や病気の後遺症が原因となり、中々外で活動できない人が多いのも現状です。

 

そこで!

リハビリ係ではその気持ちに寄り添い、施設入所の方に対しての外出リハビリを積極的に行えるように日々頑張らせて頂いております☆

 

なぜ、リハビリで外出をするの?

それは、

車への乗り降り、金銭の管理、段差を乗り越える力、長い距離を歩く体力、安全な食事、他者とのコミュニケーション方法、etc….

といったように、外出が難しい理由は千差万別であり、個々の利用者様に必要な支援は異なります。こういった場面で療法士スタッフの専門的知識が活かせる場面はとても多くあると思っています☆

 

実際に外出に行った中でそういった機能・能力のことを評価して対策を考えることや、介助時の工夫なども考えることができます。行ったときに楽しいだけではなく、これからを明るく・楽しく生きていく為に必要なことを考えるための時間にもなるのです。

 

重い怪我や病気を持っている利用者様の立ち直る力、明日を生きていく活力を取り戻せるように、より多くの方の笑顔を見ることができるように。これからも挑戦を続けて行きますので、応援して頂けたら幸いに思います!

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美瑛町老人保健施設ほの香 理学療法士 名古屋翔大