この時期デスクで長時間仕事をしている女性スタッフはひざ掛けを利用している人が多いのではないでしょうか。また、「足がむくむのよね」と気にしている人もいらっしゃると思います。
若くて元気な人でも、じっと座っていれば冷え、むくむのです。
これは足の筋肉を使わないために水分を心臓に返すポンプの力が弱まることで下肢に水が溜まった状態です。足がむくむと重だるさや痛み、感覚の鈍麻などがおこり、さらに動かすことがおっくうになります。
また、しばらく動かさなかった膝は冷えるだけではなく、痛みが生じ、立ち上がる際にはさらに痛みが増すこともあります。
全く足を動かさないでいることは、このように様々なデメリットを引き起こす原因となるのです。
だからこそ、車椅子に乗ってすごす時間が長い方は、動く足を活かして、足こぎをしてもらうことが大切なのです。
では、車椅子に乗っている方に足こぎをしてもらうときの注意点を確認してみましょう。
- 足がしっかりと床につく高さになっている
- 車椅子の前座面高が36~38cm程度が目安になると思います。一般的な車椅子の前座面高は40cmほどあるので、この高さでは小柄なお年よりは足裏全体を床につける事ができません。
- 膝の裏側に余裕がある。
- 座面の奥行きが広く、座ったときに膝の裏側に座面の先がつくような状態では、足裏が床についていたとしても、足裏に力を入れて足を引くという動作ができません。
- 膝裏に手を入れ、指が4本ほど入るぐらいの余裕があると足こぎし易くなります。
- フットレストを外す
- 足こぎできるか確認する
- 車椅子の環境を整えたうえで実際に足こぎをしてもらいましょう。上手な人はすぐに自由に動けるようになります。
- 足裏に力が入らず、足を動かしても床の上を軽くこするだけで前に進めない方もいます。膝を上から押し、足の裏に力をかける(重さを乗せる)感覚を覚えてもらいます。
- やや前かがみになってもらうと足裏に力が乗りやすくなります。
- 靴の裏側が滑りやすい場合は交換したほうが良いでしょう。
- 事故防止
通常自分が移動するときに手を使おうという人はいません。足を使って移動します。そのためか、認知症が進行し車椅子を手でこいで動かすことを理解できない方でも、足こぎであれば自由に動けるようになる方もいらっしゃいます。
動く足で活動性アップ。膝の冷えも痛みもむくみも軽減。
動く足をただフットレストにのせておくだけなのはもったいないと思いませんか。