先日、O様の誕生会を兼ねて旭川へ外出してきました。
ご本人と相談し、「せっかくなら外で美味しい物食べたいね」とのこと。また、O様リクエストで“お魚料理”とのことだったので、旭川の大戸屋まで少し遠出。
美瑛を出発する前に、まずはO様の自宅を見に行きました。O様の自宅は町内にありますが、取り壊しが決まっており、現在は解体作業中でした。
完全に解体される前に一目見ることができ、「ここに引っ越してきたのが昭和30年…、いろんなことがあったなあ…、長い間お世話になりました」と自宅に向かって一礼されていました。残念ながら雨が降っていたため、車から降りて自宅の近くまで行く、ということはできませんでしたが、自宅を見れたことで少し安心した様子で「いやあ、もう無くなってると思ってたよ~」と笑ってお話されていました。
さて、いざ旭川へ。道中、「昔ここまで来て田んぼ植えるのやったなあ」「出面によく来てたなあ、いろんなところに行ったよ」とお話しして下さり、また「すっかりこの辺も変わっちゃったなあ…」と時折さみしそうな様子も伺えました。
食事のために大戸屋に到着。お目当てのお魚です。期間限定のキンメダイ定食を頼まれ、いざ食事。
食事中、同席している私たちのことを気にかけて下さることもあり、「これ食べるかい?」等声をかけてくれていました。
「猫ちゃんより食べ方汚いね」と話されつつも、魚を丁寧に食べ、いつも園で食べる量よりもはるかに多い量を半分以上召し上がっていました。
食事も済んだところで、以前担当職員だった久保倉さんが努めている小規模多機能ほたるへ遊びにいざ出発!旭川を後にしました。
美瑛出発時は雨降りでしたが、旭川を出発する頃にはいつの間にか晴れており、景色もよく見える様になりました。「晴れてよかったね」と本人も笑顔に。
景色を見ながら話していると、ほたるへ到着。久保倉さんやほたるの職員が「いらっしゃい!」とお出迎えしてくれました。
久保倉さんと「久しぶりだね」「元気かい?」等言葉を交わしながら、ほたるの中へ。
初めはとまどいながらもせっかく来た記念だ!とのことで記念撮影。
その後はテレビを見たり、「最後に来たのはいつだっけね?」「あれ?いつだっけ?」「去年来てないから一昨年だ」等、お茶を飲みながらお話されて過ごされていました。
ひと段落したところで、帰園の時間。
帰り際、久保倉さんからきゅうりの漬物をお土産に貰い、名残惜しそうにほたるを後にしました。
「来てよかった、いろんなところへ連れてってもらえて、幸せだね」と帰りの車内で一言。「また来ようね」と声掛けすると「そうだね、また行こう」と。
普段なかなか居室から出る機会も少なくなり、時々「私1人ぽっちになっちゃったな」「親兄弟みんな逝ってしまった」と気落ちされることも見受けられます。気分転換になるよう、少しでも外に出る機会を増やし、みんなで思い出を作れるように、また、本人が少しでも楽しめるように支援できたらと思います。
(美瑛慈光園 新館1F介護職員 小林瑠奈)